最終更新:2025年11月|本ガイドは最新の製品情報を反映しています。
要点まとめ
- 原稿の整え方が重要 :収録前に、文字は大きく、行間は広く、必要に応じて発音表記も入れておきましょう。読む動きがなめらかになります。
- 一歩先の練習をする :ただ読むだけでなく、話している内容の1〜2行先を見る練習を。自然な言い回しで、アドリブも入れやすくなります。
- 操作方法が話し方を左右する :スクロール速度のコントロールは、話し方に直結します。音声操作のAIスクロールやリモコンは、固定速度より柔軟です。
- 視線がすべて :カメラのレンズを見ることが最優先です。自作のセットでもスマートグラスでも、この視線設計を中心に整えましょう。
カメラの前で原稿を読むことには、独特の難しさがあります。正確に話しながら、機械的に聞こえず、読んでいるようにも見せない。そのためには、準備と練習のバランスが欠かせません。このガイドでは、原稿の準備から本番の収録まで、 テレプロンプター を効果的に使うための手順を、順を追って解説します。
テレプロンプター用の原稿を書く・整える方法
話し方の質は、原稿で決まります。どれだけ練習しても、整っていない原稿では、言葉につまずいてしまいます。
- 読むためではなく、話すために書く :シンプルで会話に近い言葉を使いましょう。口に出して不自然に感じたら、書き直すサインです。実際に声に出して読み、違和感のある表現を見つけてください。
- 読みやすさを最優先に整える :
- 文字は大きく、はっきりしたサンセリフ体(HelveticaやArialなど)を使います。
- すべて大文字にせず、通常の文体にしましょう。
- 行間は広めに取り、視線が自然に流れるようにします。
- 実践的な合図を入れる :文字だけでなく、動きの指示も加えましょう。
- 発音表記 :人名や専門用語など、読みづらい言葉は[ ]で発音を書いておきます。例:「Pyotr[ピョートル]がレポートを提出しました」
- 動作指示 :(ポーズ)(スマイル)(資料に指さし)のように大文字で入れると、読むだけでなく「どう話すか」も思い出せます。
ステップ1:テレプロンプターの環境を選ぶ
どの機材を選ぶかで、作業の流れも、仕上がる映像の質も大きく変わります。
- 自作(DIY)タイプ :初心者に多い方法です。段ボール箱、額縁のガラス、タブレットやスマートフォンを組み合わせて作ります。費用は抑えられますが、かさばりやすく、文字が二重に映る「ゴースト」が出やすいのが難点です。DIYで試してみたい人には、最初の一歩として向いています。
- プロ用リグタイプ :カメラに取り付ける専用フレームと、高品質なハーフミラーを使います。下に置いたモニターの原稿を反射しつつ、カメラはそのまま撮影できます。光のロスが少なく、放送現場の標準ですが、価格が高く、持ち運びには不向きです。
- 一体型タイプ(Even G2) :テレプロンプター用のグラスそのものが、環境になります。外付けのリグやミラー、取り付け作業は不要です。見た目は普通のメガネで、原稿は視線の先に直接表示されます。機材を追加せず、高い携帯性を実現します。
ひと目で分かる:テレプロンプターの種類
| 種類 | 持ち運びやすさ | 視線の自然さ | 準備時間 |
|---|---|---|---|
| 自作リグ | 低い | 普通 | 中 |
| タブレット / スマホアプリ | 高い | 悪い | 短い |
| テレプロンプターグラス | 高い | 非常に良い | なし |

ステップ2:ソフトの設定とスクロール操作
原稿を表示する テレプロンプター用ソフト は、機材と同じくらい重要です。iPhoneで使う場合でも、専用ディスプレイを使う場合でも、鍵になるのは「操作性」です。
スクロール方法を選ぶ
- 手動スクロール :画面やリモコンをタップして、原稿を進めます。自分で完全にコントロールできますが、操作のたびにテンポが乱れやすく、不自然な間が生まれることがあります。
- 自動スクロール :あらかじめ設定した一定の速度(1分あたりの文字数)で原稿が流れます。安定感はありますが、話す速度を変えたり、途中で間を取ったりすると対応できません。
- 音声連動AIスクロール :現在の主流です。話し手の声を聞き取り、話すスピードに合わせて原稿を進めます。話すのを止めればスクロールも止まるため、自然な間を保てます。
リモコン操作を使いこなす
原稿を操作するたびに、デバイスへ手を伸ばす必要はありません。一般的な方法としては、スマートフォンの音量ボタンを使う、専用のBluetoothリモコンを使う、足元のフットペダルで操作するなどがあります。どれも、手を使わずに進行できるのが特長です。
Even G2では、手動・自動・AI制御の3つのスクロール方法すべてに対応しています。操作は、連携アプリからでも、メガネのつるに内蔵されたタッチバーからでも可能です。追加のソフトを用意することなく、ひとつにまとまった体験を実現します。

ステップ3:練習とパフォーマンスを高める技術
自信を持って話す力は、身につけるものです。これらの テレプロンプターを使った練習法 を取り入れることで、カメラ前での存在感は大きく変わります。
基本の練習
まずはリハーサルから始めましょう。原稿を声に出して何度か読み、自然なリズムを見つけます。急かされていると感じない速度になるまで、 オートキュー練習 セッションのスクロール速度を調整してください。内容に慣れることで、話すことに必要な思考の負荷が下がり、伝え方や感情に集中できるようになります。
自然に話すための応用テクニック
- 先を読む :今話している行の1〜2行先を見る練習をします。次の内容を予測できるため、単調な読み上げを避けられます。
- アドリブを入れる :原稿から少し外れても問題ありません。短い一言を即興で入れ、また原稿に戻る練習をしてみましょう。話し方が、より自然で本物らしくなります。
- 体の動きを使う :体を固めたまま立つのは避けましょう。自然な手ぶりを使い、姿勢を整えることで、画面越しでも落ち着きと自信が伝わります。
テレプロンプターグラスを使えば、こうした練習を場所を選ばず行えます。カメラ用の機材に縛られないため、さまざまな環境でリハーサルが可能です。
ステップ4:視線を仕上げる
テレプロンプター使用時によくある失敗が、 「視線の揺れ」 です。画面上の文字を追うことで、目がわずかに左右に動いてしまいます。この小さな動きは意外と目立ち、視聴者とのつながりを弱めてしまいます。目指すのは、 画面を読みながら、カメラを見ている状態 です。
相手としっかり目を合わせることは、信頼や共感を生むうえで欠かせません。 非言語コミュニケーションの研究 でも、視線は人との関係づくりにおける基本要素であり、注意や誠実さを伝える重要な役割を持つことが示されています。従来のテレプロンプターでは、この視線の動きを意識的に抑える必要がありました。
Even G2は、この課題に正面から向き合って設計されています。原稿はレンズ上に投影され、使用者の視線の先に自然に表示されます。周囲からは見えず、カメラから見ると、目はまっすぐレンズを捉えたままです。視線が外れる余地がなく、結果として、理想的なアイラインが生まれます。

ステップ5:原稿を使って収録する
最後のテイクでは、これまでの要素をひとつにまとめます。 テレプロンプターでプロ品質の映像を撮る には、手順のシンプルさが重要です。
従来の撮影セットの流れ
- カメラを三脚に設置します。
- レンズの前にテレプロンプター用の装置を取り付けます。
- 装置のトレーに、タブレットやスマートフォンを置きます。
- テレプロンプターのアプリを起動し、スクロールを開始します。
- カメラの録画をスタートします。
Even G2の流れ
- テレプロンプターグラスをかけます。
- 撮影機材(スマートフォンや一眼カメラなど)を配置します。
- 連携アプリからスクロールを開始します。
- カメラの録画をスタートします。
このシンプルな手順により、テレプロンプターとカメラを切り離して使えます。カメラの置き方や動きの自由度が高まり、撮影の幅が広がります。
大きな機材や、不自然なテイクに疲れていませんか?
Even G2のスマートグラスなら、テレプロンプターは常に視線の先に。視線の揺れも、複雑な準備もありません。いつでも、クリアで自信のある話し方を。
Even G2を知るよくある悩みと対処法
練習を重ねていても、つまずくことはあります。ここでは、よくある悩みとその解決策を紹介します。
- 悩み:「話し方が機械的に聞こえる」
- 対処法 :原稿そのものに原因があるかもしれません。会話に近い表現に書き直し、(笑顔)や(ここを強調)などの感情の合図を入れてみましょう。声の抑揚を意識しやすくなります。
- 悩み:「どこを読んでいるか分からなくなる」
- 対処法 :文字サイズや行間を広げてください。あわせて、話している行の少し先を見る「先読み」の練習をすると、流れを見失いにくくなります。
- 悩み:「スクロール速度が合わない」
- 対処法 :一定速度のスクロールは、人の話し方に合わないことがあります。音声連動スクロールに切り替えるか、別の人にリモート操作を任せるのもひとつの方法です。
- 悩み:「何テイクか撮ると目が疲れる」
- 対処法 :目の疲れが出ている可能性があります。画面の明るさを調整し、文字色と背景のコントラストを高くしましょう(例:黒背景に白文字)。テイクの合間に、短い休憩を取ることも大切です。
まとめ
テレプロンプターを使いこなす道のりは、ぎこちなさを乗り越え、自然で自信のある話し方にたどり着くプロセスです。技術は、かさばる自作セットから、課題を根本から解決する先進的なツールへと進化してきました。原稿の準備、意図的な練習、そして適切な機材。この3つを意識すれば、読みながらでも、プロらしい映像表現が身につきます。
テレプロンプターの仕組みや歴史をより深く知りたい方は、 テレプロンプター完全ガイド もご覧ください。
よくある質問(FAQs)
タブレットやスマートフォンを、そのままテレプロンプターとして使えますか?
はい、テレプロンプター用のアプリを使えば、どのタブレットやスマートフォンでも利用できます。ただし、ハーフミラー付きの装置がない場合、端末をカメラの横や上に置く必要があり、視線がレンズから外れてしまいます。
読んでいるときに、目が左右に動いてしまうのを防ぐには?
視線の動きを抑えるには、画面との距離を少し離し、文字の横幅を狭く設定します。また、スクロール中は画面の中央を見る意識を持つと効果的です。テレプロンプターグラスなら、文字が視線の先に表示されるため、この問題を根本から解消できます。
テレプロンプターの最適な速度はどれくらいですか?
「これが正解」という速度はありません。話す人それぞれのペースによって変わります。目安としては、1分あたり 約400〜500文字 程度から始め、無理なく話せる速度に調整してください。話す速さに合わせて動く音声連動スクロールは、より自然になりやすい方法です。
参考文献
- Non-Verbal Communication and its Role in Trust-Building During Conversations. (2025). International Journal of Research Publication and Reviews, 6(4), 6954–6960. https://ijrpr.com/uploads/V6ISSUE4/IJRPR42411.pdf

