要点まとめ
- OD(Oculus Dexter) は右目、OS(Oculus Sinister) は左目を示します。
- SPH(球面度数) は、近視を補正するためのマイナス度数、または遠視を補正するためのプラス度数を表します。
- CYL(乱視度数)と AXIS(軸) は、角膜の形が不規則なことで起こる一般的な視力の状態である乱視を補正するための項目です。
- ADD(加入度数) は、老眼を補正するために使われる多焦点レンズ用の拡大度数で、主に読書時に使われます。
- PD(瞳孔間距離) は、左右の瞳の間の距離を示す重要な数値で、レンズを正しい位置に合わせるために使われます。
眼鏡の処方箋は、ひと目見ると暗号のように感じるかもしれません。このガイドでは、処方箋に記載されたすべての項目をわかりやすく読み解き、あなたの視力に本当に必要なものを理解できるようにします。
基本:右目と左目の違い
最初のステップは、数値がどちらの目を示しているのかを知ることです。これらの略語はラテン語に由来しており、すべての眼鏡処方箋で共通して使われています。
- OD(Oculus Dexter): 右目を意味するラテン語です。「OD」と記載された行や列にある数値は、すべて右目用のレンズ補正を示しています。
- OS(Oculus Sinister): 左目を意味するラテン語です。「OS」に関連する数値は、すべて左目用です。処方箋には、右目(OD)と左目(OS)の両方が記載されているのが一般的です。
- OU(Oculus Uterque): まれに「OU」と記載されている場合があります。これは「両目」を意味し、左右どちらの目も同じ数値が適用されるときに使われます。
視力補正の数値を読み解く:SPH・CYL・AXIS
これらの数値は、処方箋の中でも特に重要な要素で、レンズがどのような度数で視力を補正するかを示しています。

SPH(球面度数):近視と遠視の補正。
SPHは、視力を補正するために必要なレンズの基本度数です。単位はジオプターで、屈折力を表します。
- マイナス記号(−) は、近視の補正を意味します。遠くのものが見えにくい状態で、レンズによって光の焦点を網膜上に正しく合わせます。
- プラス記号(+) は、遠視の補正を意味します。近くのものが見えにくい状態です。
CYL(乱視度数)とAXIS(軸):乱視の補正
CYLとAXISの欄に数値がある場合、乱視があります。乱視は多くの人に見られる一般的な視力の状態で、角膜や水晶体のカーブが完全な球形ではないことが原因です。乱視のない目がバスケットボールのような形だとすると、乱視のある目はラグビーボールのような形をしています。 角膜や水晶体のカーブが不完全 なことによって起こります。これら2つの数値は、常にセットで使われます。
- CYL。 乱視を補正するために必要な度数を示します。
- AXIS。 1〜180の数値で、乱視の向きを示します。これにより、レンズ上のどの位置に乱視補正を配置するかが決まります。
多焦点レンズや特別な補正のための追加度数
処方箋によっては、より細かな視力ニーズに対応するための追加項目が含まれることがあります。
ADD(加入度数):老眼の補正
ADD は、遠近両用レンズや累進レンズの下部に加えられる拡大度数です。加齢によって近くが見えにくい状態になる老眼を補正し、読書などを快適にします。数値はほとんどの場合プラスで、左右の目で同じ値になるのが一般的です。
Prism:目の位置ずれの補正
プリズム補正は、物が二重に見える複視など、目の位置のずれが原因となる見え方の問題を補正するために使われます。プリズムは光を曲げ、左右の目で見える像を正しく重ねます。単位はプリズムジオプター(p.d.)で表され、方向は BU(上)、BD(下)、BI(内)、BO(外) で指定されます。
眼鏡を製作するために重要な測定項目
この最終的な測定は、あなたの目に正しく合った位置にレンズを仕上げるために欠かせません。
PD(瞳孔間距離):レンズ位置の調整
眼鏡の処方箋に記載される PD は、瞳孔間距離(Pupillary Distance)の略です。左右の瞳の中心間の距離をミリメートルで表します。この数値は、レンズの光学中心を目の位置に正確に合わせるために使われます。正確なPDは、よりクリアな視界につながります。

まとめ:一覧表と具体例
以下は、眼鏡の処方箋に使われる用語をまとめた、参照しやすい一覧表です。
| 略語 | 英語正式名称 | 意味 |
|---|---|---|
| OD | Oculus Dexter | 右目 |
| OS | Oculus Sinister | 左目 |
| SPH | Sphere | 球面度数=近視(−)または遠視(+)を補正する基本度数。 |
| CYL | Cylinder | 乱視度数=乱視を補正する度数 |
| Axis | Axis | 乱視軸=乱視の向き(1〜180) |
| Add | Added Power | 加入度数=遠近両用/累進レンズ用の拡大度数 |
| Prism | Prism | 目の位置ずれや複視の補正 |
| PD | Pupillary Distance | レンズ位置調整のための瞳孔間距離 |
結論
眼鏡の処方箋を理解することで、目のケアをより主体的に考えられるようになります。OD/OS、SPH、CYL、Axis、Add、PD が何を意味するのかを知っていれば、眼鏡店や眼科で自分の視力ニーズを自信を持って伝えられます。新しい処方箋を受け取ったら、 レンズの種類やコーティング の違いを比較しながら、自分に合った選択を始めてみましょう。処方箋を理解することは、顔の形やライフスタイルに合う眼鏡を選ぶ第一歩でもあり、 処方箋メガネの価格 を把握したり、オンラインで 眼鏡やコンタクトを購入 する際にも役立ちます。
よくある質問(FAQs)
なぜ、眼鏡の処方箋とコンタクトレンズの処方箋は違うのですか?
眼鏡とコンタクトレンズでは、処方箋は同じではありません。眼鏡は目から少し離れた位置で装用するため、目に直接装着するコンタクトレンズとは必要な度数が異なります。また、コンタクトレンズの処方箋には、ベースカーブ(BC) や 直径(DIA) など、追加の測定項目が必要になります。より詳しく知りたい方は、 眼鏡とコンタクトレンズの処方箋の違い について解説した記事をご覧ください。
処方箋の有効期限はどれくらいですか?
日本では、メガネの処方せんに法的な有効期限はありません。ただし、眼鏡店によっては発行から一定期間を過ぎた処方せんでは対応できない場合があります。詳しくは利用する店舗に確認すると安心です。目の健康を保ち、常に適切な度数を使うためにも、定期的な 視力検査 を受けることが大切です。
「Plano」や「PL」とはどういう意味ですか?
SPHの欄にある「Plano」または「PL」は、その目に視力補正が必要ないことを意味します。度数がゼロの状態です。
処方箋のコピーをもらうことはできますか?
はい。日本では、視力検査を受けた際に、処方内容を説明してもらい、必要に応じて数値を確認・控えることができます。眼鏡店や眼科によって対応は異なりますが、購入を前提とせず、処方内容を確認すること自体は一般的です。米国の 連邦取引委員会の眼鏡規則 でも同様の権利が定められています。
処方箋の数値が高いと「目が悪い」ということですか?
数値が高いということは、視力を補正するために強めの度数が必要という意味であり、必ずしも目の健康状態が悪いことを示すわけではありません。
参考文献
- American Academy of Ophthalmology. (2023). What Is Astigmatism? Retrieved from https://www.aao.org/eye-health/diseases/what-is-astigmatism
- Federal Trade Commission. (2020). Complying with the Eyeglass Rule. Retrieved from https://www.ftc.gov/business-guidance/resources/complying-eyeglass-rule

