最終更新:2025年11月|本ガイドは最新の製品情報を反映しています。
要点まとめ
- 価格帯の違い :AIグラスは、大きく3つの価格帯に分けられます。エントリークラス (約50〜200ドル) は音声中心の基本機能。ミドルレンジ(約200〜450ドル)では、カメラ機能や高度なAI連携が加わります。プレミアムクラス(500ドル以上)は、視界に情報を表示するディスプレイなど、先進的な技術を搭載しています。
- 価格を左右する要因 :AIグラスの価格は、中に入っている技術で決まります。ヘッドアップディスプレイ(HUD)、オンデバイスAI処理チップ、チタンなどの高級素材、ブランドとのパートナーシップ。これらがコストを押し上げる主な要素です。
- 値段以上の価値 :表示価格だけがすべてではありません。充電ケースなどの付属品、保証期間の長さ、サブスクリプションの有無も含めて、製品の「総合的な価値」を見る必要があります。
- 手の届きやすさ :プレミアムモデルでも、分割払いによって購入しやすくなる場合があります。 度付きレンズに対応したモデルは、FSA/HSAの払い戻し対象となることがあり、実質的な負担を抑えられるケースもあります。
AIグラスの価格は、100ドル以下から600ドル以上まで幅広く、一見すると「適正価格」が分かりにくい市場です。しかしその差は、単なる価格差ではなく、音声再生に特化したシンプルな体験から、 視界に情報を映し出す高度な体験 まで、機能と体験の違いを反映したものです。
このガイドでは、AIグラスの価格を決める要因を整理し、市場の価格帯、コストを押し上げる技術、および購入時に見るべき総合的な価値について解説します。自分の用途と予算に合った一本を見つけるための指針として役立ててください。なお、AIグラスの仕組みそのものについては、 AIグラス完全ガイド で詳しく紹介しています。
AIグラスの価格帯とは
AIグラス は、すべてが同じではありません。市場は、機能と技術の違いによっていくつかの価格帯に分かれており、その違いは価格にそのまま反映されます。
エントリークラス(50〜200ドル)
この価格帯では、比較的安価なAIグラスが多く見られます。基本的には、メガネ型のBluetoothヘッドホンとして機能し、スマートフォンと接続して音楽やポッドキャストを再生したり、通話に対応します。「AI」と呼ばれる機能の多くは、SiriやGoogleアシスタントなど、スマートフォン側の音声アシスタントをそのまま使う仕組みです。そのため、本体のつくりやバッテリー性能は、必ずしも重視されていないケースもあります。
ミドルレンジ(200〜450ドル)
多くの有名ブランドが競合するのが、この価格帯です。このクラスの製品には、次のような明確な進化ポイントが加わります。例えば、写真や動画を撮影できるカメラ機能(例:Ray-Ban Meta)や特定のAIエコシステムとの高度な連携(例:Amazon Echo Frames + Alexa)があります。ビルドクオリティは向上し、デザインも洗練されてきます。ただし、情報の出力はあくまで音声、またはスマートフォンアプリ経由であり、視界に直接情報を表示することはありません。
プレミアムクラス(500ドル以上)
この価格帯のAIグラスは、体験そのものが大きく変わります。最大の特徴は、視界に情報を表示する統合型ディスプレイ、いわゆる ヘッドアップディスプレイ(HUD) の搭載です。この技術により、通知やナビゲーション、リアルタイム翻訳などの情報を、目の前に自然に表示できます。Even G2は、このカテゴリーに属し、Micro-LEDディスプレイを用いて、通知表示、ターンバイターンの案内、 ライブ翻訳 を実現しています。こうした体験を可能にするためには、高度な光学設計と処理能力が必要となり、それがAIスマートグラスの価格にも反映されています。
実験・開発向けクラス(1000ドル以上)
この小規模な市場は、主に開発者や産業用途向けです。空間認識や6DoFトラッキングなど、高度なAR(拡張現実)機能を備えるモデルもあります。一方で、サイズや重量、価格の面から、日常的なコンシューマー利用を前提とした設計ではないのが一般的です。
AIグラスの価格は、何で決まるのか?
AIグラスの最終的な価格は、いくつかの重要な技術要素と設計上の選択によって決まります。それらを理解することで、シンプルなモデルとプレミアムモデルの価格差が、なぜ生まれるのかが見えてきます。
ディスプレイ技術
価格に最も大きく影響するのが、視覚ディスプレイの有無とその品質です。音声のみのAIグラスは、シンプルなスピーカーを使用しており、コストは比較的抑えられます。一方で、Even G2のようなプレミアムモデルは、Micro-LEDプロジェクターを用いた高度な 光学エンジン を搭載し、視界の中にクリアで明るい映像を表示します。こうした小型かつ高性能なディスプレイは、研究開発から製造に至るまで非常にコストがかかります。 Micro-LEDの製造 に関するレビューでも、その複雑な製造工程こそが、高コストの主因であると指摘されています。
AIと処理性能
AIグラスの「賢さ」も、価格を左右する重要な要素です。ベーシックなモデルでは、処理の大半をスマートフォン側のプロセッサに依存します。より高度なモデルでは、ノイズキャンセリングや独自のAIアシスタントなどを、デバイス内で直接処理できるようになります。 モバイル向けディープラーニング推論に関する実証研究 によると、オンデバイス処理は、クラウドを介さないため高速かつプライバシー性に優れますが、その分ハードウェアコストは上がります。また、 ChatGPTのようなクラウドAI に強く依存する場合、API利用にかかる運用コスト(トークン単位の課金)も無視できません。これらの費用は、本体価格に含まれる場合もあれば、サブスクリプションとして別途管理される場合もあり、総所有コストに影響します。
ブランドと素材
ブランド力も、価格に反映されます。著名ブランドやデザイナーとのコラボレーション(例:MetaとRay-Ban、またはMetaとOakley)などは、付加価値として価格プレミアムを生みます。素材選びも重要です。手頃なモデルでは一般的なプラスチックが使われる一方、プレミアムモデルでは、チタン合金やマグネシウムといった軽量かつ高耐久な素材が採用されることがあります。これにより、複雑な電子部品を内蔵しながらも、重量増を抑えることが可能になります。
カメラあり/なしという選択
カメラを搭載する場合、センサーやレンズ、内部ストレージなどの追加コストが発生します。一方で、Even Realitiesのようにあえてカメラを搭載しない設計を選ぶブランドもあります。この選択は、プライバシーを重視し、より軽く、より控えめな製品体験を実現するためのものです。ウェアラブルカメラに伴う社会的な懸念を避けながら、AIの利便性だけを享受したいユーザーにとって、この設計思想は大きな価値となります。
値段以上の価値を生むもの
購入時に目にする価格は、あくまで全体の一部にすぎません。AIグラスの本当の価値を理解するには、価格に何が含まれていて、何が含まれていないのかを見る必要があります。
同梱されるもの
プレミアムAIグラスの価格には、価値の高い付属品が含まれていることが一般的です。たとえばEven G2には、保護と充電を兼ねた専用ケースが付属しています。これは保管だけでなく、日常的な電源管理にも欠かせない存在です。一方、エントリークラスの製品では、ケースや充電アクセサリーを別途購入する必要がある場合もあります。
度付きレンズの費用
視力補正が必要な場合、度付きレンズの費用は追加で発生します。Even G2を含む多くのAIグラスは、度付きレンズに対応しています。詳しい手順については、 度付きAIグラス完全ガイド をご覧ください。
保証とカスタマーサポート
メーカー保証は、製品価値を測るうえで重要な要素です。プレミアムブランドでは、1年または2年の保証が提供されることが多く、初期不良や製品トラブルに対する安心感があります。このようなサポート体制は、低価格帯の製品では十分に用意されていないケースも少なくありません。
サブスクリプションの有無
一部のAIグラスでは、特定のAI機能や連携アプリを利用するために、継続的な追加料金が必要となる場合があります。中核となる機能が課金の対象かどうかは、購入前に必ず確認すべきポイントです。なお、Even Realitiesアプリは、Even G2の購入者であればすべての機能を月額無料で利用できます。
プレミアムAIグラスを、もっと手の届く存在に
プレミアムな価格は、必ずしも高いハードルである必要はありません。先進的なAIグラスを、より現実的な選択肢にする方法があります。

分割払い・ファイナンスプラン
Even Realitiesを含む多くのブランドでは、 分割払い のオプションを提供しています。たとえば599ドルの購入でも、月々の支払いに分けることで、負担を抑えることができます。多くの場合、金利なしで利用できる点も魅力です。
FSA/HSAによる払い戻し
度付きレンズを含むAIグラスは、一般的に FSA(フレキシブル・スペンディング・アカウント)やHSA(医療貯蓄口座) による払い戻し対象となります。これにより、税引前の資金を使ってスマートアイウェアを購入でき、実質的な負担を大きく下げることができます。
AIグラスは、どこで買うべきか
AIグラスの購入 方法には、いくつかの選択肢があります。
- 大手オンラインストア :Amazonや ヨドバシカメラ のような大手小売では、複数ブランドを横断して比較できます。価格競争による手頃な価格や、迅速な配送も魅力です。さまざまなモデルを並べて、AIグラスの価格差を把握したい場合に適しています。
- ブランド公式サイト :Even Realitiesの公式サイトのように、メーカーから直接購入する方法もあります。この場合、最も充実したカスタマーサポートに加え、全スタイルへのアクセスや、詳細な製品情報を確認できるのが特長です。
最後に
AIグラスの価格は、その中に詰め込まれた技術、素材の品質、そしてブランドが提供する価値を反映したものです。音声機能を中心としたエントリーモデル、カメラを備えたミドルレンジ、そしてEven G2のように視界に情報を表示するディスプレイを統合したプレミアムモデル。価格帯ごとに、体験は大きく異なります。購入を検討する際は、表示価格だけで判断しないことが重要です。保証内容、付属品、分割払いの有無といった要素も含めて、総合的な価値を見ることで、納得のいく選択ができます。まずは、自分にとって何が最も重要かを明確にしてください。音声なのか、カメラなのか、それとも視覚的な情報体験なのか。その答えが、適切な価格で、最適な一本へと導いてくれるはずです。
よくある質問(FAQs)
AIグラスの平均価格はいくらですか?
AIグラスの価格は、カテゴリーによって異なります。音声のみのモデルは150〜250ドル前後。Metaなどのカメラ搭載スマートグラスは、300〜400ドル程度が一般的です。Even G2のように視覚ディスプレイを内蔵したプレミアムモデルは、599ドルからとなります。
プレミアムAIグラスは、なぜ高いのですか?
プレミアムAIグラスが高価になる理由は、高度な部品と技術にあります。Micro-LEDのような小型ディスプレイ、映像を投影するための光学エンジン、AI処理を支えるソフトウェア開発、そしてチタンなどの軽量で高品質な素材。これらが主なコスト要因です。
AIグラスに月額料金はかかりますか?
ブランドによって異なります。一部のスマートグラスでは、特定のAI機能やアプリ機能を利用するために、サブスクリプションが必要な場合があります。一方で、Even G2を含む多くのモデルでは、すべての機能を追加費用なしで利用できます。
AIグラスとARグラス、どちらが安いですか?
日常使いを想定したAIグラスは、本格的なARグラスよりも安価です。一般的なAIグラスは150〜700ドル程度ですが、開発者や企業向けのARヘッドセットは、1,000ドル以上になることも珍しくありません。
参考文献
- Song, L., Yong, X., Zhang, P., Song, S., Chen, K., Yan, H., Sun, T., Lu, Q., Shi, H., Chen, Y., & Huang, Y. (2024). Recent progress of laser processing technology in micro-LED display manufacturing: A review. Optics & Laser Technology , 181 , 111710. https://doi.org/10.1016/j.optlastec.2024.111710
- Guo, T. (2017). Cloud-based or on-device: An Empirical study of mobile deep inference. arXiv (Cornell University) . https://doi.org/10.48550/arxiv.1707.04610

